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辞書に載ったのは良いが…

大修館の英語教育12月号に「変容する英米の英語発音と英和辞典の発音表記」という記事が出ている。寄稿者はジーニアス第4版の発音表記を担当している大学の先生(仮にN先生)である。

指摘している点は主に2点

(1) 米音の母音体系の単純化
(2) 米音の/hw-/と英音の/tj-, dj-/


(1)-a
lotやproblemなどに含まれる米音の/a/という発音記号を、fatherやpalmと同じ/aː/という記号に変更した。
(1)-b
2点目causeやlawなどに含まれる米音の/ɔː/という母音に、逐一/aː/を併記した。


という。

この記事の中で、

筆者自身、30年前にNHKのラジオ英語講座で英語の勉強を始めた時、すぐに「/a/, /aː/, / ɔː/という3つの母音は、本当は全部/aː/ではないか」と気付き…

と述べている。

確かに(1)-a、(b)は歓迎すべきことと言えようが、米音に限って言えば、そもそも長音記号の/ː/が必要なのかどうか、個人的には疑問がある。

N先生は記事の冒頭で、

筆者は、20年近く『ジーニアス英和辞典』の発音表記を担当しているが、我が国の英語教育における、この不幸な現状を変えるために先鞭をつけたいとの思いから、第4版(G4)では、発音表記の思い切った改定を行った。

と述べる。

因みに、手元にあるLongman Dictionary of American English(1983)では、/ː/の記号を一切使っていない。/a/や/aː/は、少なくとも米音に限って言えば、音の長短ではないから、いっそのこと、この点もすっきりした形にして欲しいというのが私の考えである

2点目のポイント

英音について、私は詳しくないので/tj-, dj-/についての記述には触れないが、「米音の/hw-/」に関して述べたい。

(2)
what, where, whiteなどにおけるwh-という綴り字の発音を/w, 《米+》hw/と表記し、英米共に/w-/の方がより一般的な発音であることを示した。


これについても、辞書や英語音声学の本では、決まって/《米》hw/の記述を目にしているが、私の知り合いのアメリカ人でhwで発音する人は一人しかおらず、そもそもこの記述はかなり古い読み方なのではないかと推測する。N先生も、社会言語学で高名なWilliam Labovの最近の調査を引き合いにして「全米で/h/を発音する話者は、すでに2割に満たないようである」と書いているが、ジーニアスも含め、まるで英音は/w-/、米音は/hw-/であるかのように示してきた辞書(もちろん、hが斜字になっていて、読まれないというこもあると必ず示しているが、学習者は実情を知る由もない)は、仕方ない面はあるにせよ、時代の波に少し乗り遅れている感がある。

ところで、ウィズダムは、各種表記の中の「頻度」について、【まれ】という表記は20%を指すとしている。言語事象の問題とは別個に、辞書内の表記についても、辞書の編者の意図が学習者に正しく伝わっているか、気になる(たまたまウィズダムを例にしたが、辞書一般について言いたいこと)。実際にはこれに留まらず、【まれ】には、形容詞がつく場合もあり、発音や語法について【「やや」まれ】【「比較的」まれ】と書かれている場合もある。これらは、何と「本書の使い方」や「略語表」にも出てこない。
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