昨日、用事があってお茶の水へ向かう電車に乗っていると、
英会話から英対話へ
の広告が目に入る。英会話スクールのキャッチフレーズ。英会話スクールに通ったけどダメだったという人に、「大事なのは、英対話なんだよ」ということか。本当によく考えるものだ。北島康介選手(水泳)北京五輪での名セリフ「何も言えねー」がぴったり(意味するところは違うが)。
次は、英語指導を売りにしているある予備校(?)の不思議な広告。以前から、歴史上の人物(例えば、○×太子)が登場していて、英語とどういう関係があるのか不思議に思っていたが、今回よく見ると
マサイ族
が出ているのに、謎が一層深まった。ラクダに跨っている人もいる。どこかの王様だろうか?
たまに電車に乗ると、目にする広告に、新鮮な驚きを憶える。「少子化」は教育産業にとって逆風だが、英語教育に限ってみると、チャンスがたくさんあることが分かる。皮肉な話だが、“なかなか英語が上達しない”限り、我々の仕事はまだ安泰。
“Democracy is the worst form of government except all the others that have been tried.”
これは、民主主義を絶賛しているわけではないが、そうかといって、全面否定しているわけでもなく、他の政治形態よりは良いんだ、ということを述べる有名な一文。
授業で、この英文は持ち出さなかったが、この内容を日本語で話して、「英語は、一見変な喩えを使って、言いたいことをハイライトするというレトリックをよく使うんだよ」と話した後に、クジラ構文を説明に入った。
比較的、上位のクラスだったので、理解してくれた生徒も多かったように思うが、no more … thanや、no more than等々の「定型表現」を丸暗記しているとしたら、“メモリー”を無駄に使うことになるので、やはりここは「理屈」で押さえておくべきだろう。
多くの参考書が、この構文を説明するために、単語の負担をかけまいと「彼女」「彼女の妹」など訳には困らないが、聞いてもまったくピンとこない比較対象を取り上げるが、多少単語は難しくとも、ある程度内容のある英文を用いるとか、面白い例を作って紹介すると効果的だと思う。
丸暗記、さよなら
よく分からないときは、辞書を数冊引いた上で、何でこんな“妙ちくりん”な言い方をするのか、英語の教師に質問しに行くと、これまでの疑問が一気に解決すると思われる。
昨日の新聞では、「大学ナビ」という欄に、めずらしく駿台予備学校による「合格クリック」というコラムが出ていて、模試活用法について、広報部の人が書いた記事を目にした。
言うまでもなく、模試の受けっぱなしは、学力向上に寄与しないだけでなく、受験料の無駄、受験時間の無駄、労力の無駄と、良いことはない。「結果をノートに貼ったり…」などと書かれていたが、正にひと手間掛けて、丁寧に復習をして欲しい。「模試は復習こそ命」 合否判定で一喜一憂しても仕方ない。
私の勤める学校では、希望者が「駿台全国模試」を、学校を通して申し込むことができる。“ハイレベル模試”であることを周知させているが、意外にも(あるいは、深く考えず)申し込んでくる生徒がいて、頼もしく思う(?!)。くれぐれも、心が折れることなく(全国模試は難しくできている)、今のモチベーションを受験まで持ち続けて欲しい。受験後、質問があれば一緒に考えてみよう(但し、英語に限るが)。
語彙習得の研究では、学習者は6回程度単語を見ると、覚え始めるという。この6回とは、教科書で見たとか、模試の長文で登場したとか、いろいろな場所で出くわした数であって、例えば「1分間に6回見ると」などという話ではない。
受験指導で最も尊敬をする「道場主」のサイトでも、単語の学習が昨日話題になっていた。生徒は決まって「でも単語は必要ですよね」と言ってくる。高校生であれば、高校2年生までに学校で使う教科書に出てくる単語が押さえられていれば(つまり、当たり前に英語の勉強を最初の二年間続けていれば)、
高校3年生になって、
(1) 受験に特化したテキストで、自分がまだ知らない単語を丁寧に憶えていく、
(2) 漏れが無いか、必要に応じて、単語集をチェック用に使う、
という、ごく自然な勉強方法で「でも単語は必要ですよね」などと言わなくて済む。
もちろん単語は大事。
「一文の中に多数分からない単語があるのは、英語の勉強量が大幅に足りないからにほかならない」(道場主)
は、無理難題を求めている訳でない。decide や audienceを知らないとしたら、単語集以前の問題。
皮肉に聞こえるかも知れないが、単語を知らないのは、それまで知らなくて済んだ証拠。知らなくても特別困らなかったから。「hospitalは知っているが、hospitableは知らない」としたら、それまでhospitableに遭遇せず、困らなかったのだろう。そこで、新たに覚えたらよろしい。
「でも単語は…」という生徒は、これまでの自分の勉強を見直してみる必要があるのと同時に、英語学習の絶対量が足りなくないか、考えて欲しい。「毎日10分。これだけで…」は詐欺のセリフ。10分では、高等教育を受けるようと思う者としては、あまりに少なすぎる。
※ ところで、紙辞書を使うと、hospitalを引くと、その直ぐ上に、hospitableが出てくる。電子辞書では目当ての単語以外に注意を向けることは難しいが、紙辞書なら、それが簡単にできる。実際に試してほしい。respective, respectful, respectableなどについても、同じことが言える。
最近、テレビ(別名idiot box)がつまらない[今に始まったことでない]。そんな中、NHKの受信料収入が史上最高の6700億円を超えたという。新聞では、先週一週間の視聴率ランキングの中で、上位20位のうち、10以上がニュース関連(これには、民放も含まれる)で占められる。手軽な娯楽とはいえ、もともと大した番組を放送していないから、ニュースがこれほどまでに上位に来てしまうのか。
ところで、アメリカでは日本のような、受信料制度は無い。それどころか、国(法)によって、好むと好まざるとに関わらず受信料を徴収することなど、彼らの感覚ではあり得ない話。健康保険制度ですら、異論が続出する国なので、驚きではないが。
近頃は、BSやCS放送で、見たい番組だけを、お金を投じて楽しむことができる。放送法によると、テレビ(受像機)を置いた時点でNHKの受信料を払う義務があるという。「NHKは見ていません」は通用しない。それなら、受信料などと言わず、「テレビ受像機税」と言った方が正確な気もする(なお、我が家では、きちんとNHKの受信料を払っている)。NHKのBSがつまらなくても、BSが映るテレビであれば、これまた衛星放送の受信料を支払わなければならない。確か、判例でも支払義務があるとの判断だった。ますます「テレビ受像機税」と呼ぶに相応しい気がする。